PHVはツカエる? ポルシェ カイエンS E-ハイブリッドに乗る。Part.2

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アクセル開度が80%を超えると「スポーツモード」へ。エンジンと電気モーターのすべての力がパフォーマンスに使われる。もっとも、さすがに車検証数値で車重2390kgとヘヴィ級なだけに、アクセルオンした瞬間にはほんの一瞬、感覚的には4分の1拍くらいの待ちを感じることもなくはない。しかし、それを過ぎればパワフルさは文句無し。ちなみに0-100km/h加速の5.9秒という数値は、カイエンの7.7秒を大きく上回り、カイエンSの5.5秒に迫る。車名の“S”はそれ故である。
フル加速の際、フロントが浮き上がるような感じがするパナメーラS E-ハイブリッドと違って、こちらはフルタイム4WDだけにどっしりとしているというか、トルクが即座に推進力となってクルマを前進させるようなフィーリングが得られるのも特徴的だ。パナメーラも迫力があるが、パワーと余すことなく使っている感のあるカイエンも、また刺激的と言える。
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フットワークには重さの影響がハッキリ出ている。操舵応答の正確性だったり姿勢制御の巧さだったりはさすがカイエン、さすがポルシェなのだが、キビキビ反応するとは言えないし、突き上げに対して大きく煽られたりするようなこともある。まあタイミングは乗るうちに慣れてくるし、乗り心地も重い分がプラスに働いているところもあるにはあるのだけれども。
ブレーキのフィーリングも、まだ完璧とは言えない。ペダルに足を乗せる程度の軽い制動、あるいはワインディングロードを飛ばす時などに強めに踏み込んだ時のタッチはいいのだが、ちょうどその中間ぐらいの踏力の時のコントロール性には改善の余地アリだ。いや、一般的なレベルで言えば相当いいところまで来ているのだが、これはポルシェ。ブレーキはやっぱり“宇宙一”じゃないと、ということである。
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試乗を終えて燃費をチェックすると、トータルでの燃費は8.5km/Lで、箱根のワインディングロードで少し飛ばしたところでは7.2km/Lとなった。2人乗りで機材も乗せて、気温が高い日だったのでエアコンをフル稼働させた状態だということ、そしてパフォーマンスの絶対値を考えれば、期待には十分応えているのではないだろうか。借用した時、すでにフル充電状態ではなかったことだし……。
Part.3(近日公開)に続く