日産が東京モーターショーに軽自動車EVを出展すると発表

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日産自動車は本日、第44回東京モーターショー2015に軽自動車EVコンセプトカー「テアトロ for デイズ」を出展すると発表した。
以下、プレスリリースより
TEATRO for DAYZ – 次世代カスタマーに向けた新しいクルマの価値を提案
2020年以降に運転免許を取得する世代を私たちはShare Nativesと定義しました。彼らはこれまでとは全く異なる価値観をクルマに求めています。それを具現化したのが軽自動車EV「テアトロ for デイズ」です。
『真っ白なキャンバス』というコンセプトで開発した「テアトロ for デイズ」の最大の特徴は真っ白なインテリア。インストルメントパネルをはじめ、シートやドアトリムはキャンバスとなり、彼らの自由な発想でインテリアをアレンジすることをサポートします。彼らのクリエイティビティは、「テアトロ for デイズ」を通じて仲間とシェアされ、より一層、仲間との繋がりは深くなってゆくでしょう。
また、EVである「テアトロ for デイズ」は、時に究極のモバイルバッテリーにもなるため、彼らにとってモバイルガジェットの一つとして映るかもしれません。
「テアトロ for デイズ」は、Share Nativesの自由な発想と創造力によって、新しい価値を生みだす素材となり、クルマとしてだけでなく、コミュニケーションツールとして支持されることでしょう。

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運転=仲間と繋がれない時間
かつて、クルマは多くの若者にとって憧れの存在でした。クルマを運転できることは大人の証であり、好きなときに行きたい場所へ自らの意志で移動することは、自由の象徴でもありました。

ところが、生まれた時からそばにインターネットがあり、モバイル端末の進化とともに育った世代にとっては、その価値観が変わり始めています。商品企画部 部長の佐々木 英王は次世代カスタマーを次のようにイメージしました。
「これから運転免許を取得する世代にとって、幼い頃からのコミュニケーションツールは通信機能を備えたゲームであり、EメールやSNSです。デジタルネイティブである彼らは、イベントがあるとその場で写真や動画を撮り、すぐにSNSでシェアします。それを見た仲間は“いいね!”と意思表示をし、別の仲間にシェアする。大切なのは実体験かバーチャルかではなく、そこで得た経験を共有できるかどうかです。スマートフォンの登場で、彼らはいつどんな時でも仲間と繋がり、情報や体験をシェアする自由を手に入れたのです。」
佐々木は彼らを“Share Natives”と名づけました。Share Nativesは“モノ”に対しても、所有すること自体に喜びを感じるのではなく、所有したことで大勢の仲間と繋がるという“Fun Together”を大切にしているのです。
Share Nativesにとってクルマはある意味もっとも遠い存在です。なぜなら運転中はSNSなどで仲間と繋がることができません。クルマで起こったハプニング(嬉しいことや驚いたこと)をすぐに共有できる相手は、同乗している限られた仲間だけ。クルマの運転をしている間はコミュニケーションが取れなくなってしまう。「Share Nativesがクルマに求めるもの。それは運転の楽しさやプレミアムな空間ではなく、自由に仲間と繋がり経験をシェアできる機能なのです」と佐々木は述べました。
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A Car For Share Natives –クルマに“繋がり”を求めるShare Natives
次世代カスタマーのサンプリングを繰り返す中で、象徴的なShare Nativesの姿が浮かび上がってきました。
洋服やアクセサリーを自分好みにカスタマイズして、仲間同士でお揃いのコスチュームを楽しんでいる事をシェアする姿。移動中もバーチャルな世界で無数の友人と繋がってゲームを楽しむ姿。スマートフォンやラップトップPCの壁紙を自由にアレンジし、ムードチェンジを楽しむ姿。SNSなどで知り合った仲間とオンラインでお互いの顔を見ながらパーティーをする姿。
「Share Nativesが求めるクルマには、いくつかの共通する特徴がありました。まず彼らはクルマ本来の目的である“移動”以外の部分に楽しみを求めています。そしてクルマはスマートフォンのように自在にアレンジできる存在であってほしいと考えていること。これは自分好みにカスタマイズするのとは異なります。その日の気分に合わせてクルマをワンタッチでモディファイ&アレンジさせるイメージです。時にShare Nativesは、我々では考えもしない使い方を創造する可能性があります。
 
彼らの自由な発想でクルマを移動手段以外としても使える、楽しめるクルマを作りたかった。また、彼らは積極的に軽自動車を選ぶこともわかりました。経済的なメリットだけでなく、軽自動車のコンパクトなボディが、まるでポケットに入れて持ち運べるモバイル機器のように映っているのです。そして、私たち日産が得意とする電気自動車(EV)との組み合わせを検討する中において、Share Nativesにとって“充電する”という行為は日常的なものと気づきました。むしろ、ガソリンスタンドに行って“ガソリンを入れる”よりも、自宅で“充電する”方が彼らのスタイルに合っているのです。
 
街乗りに十分な航続距離を有した「TEATRO for DAYZ」は、時に究極のモバイルバッテリーとなり、彼らが駆使するデジタルガジェットの電源にもなります。それらの事から、軽自動車とEVが彼らのニーズに合致すると考えました。」佐々木の分析を具現化し、次世代カスタマーであるShare Nativesに提案するクルマが、「TEATRO for DAYZ」です。
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Share Nativesの欲求を満たす「TEATRO for DAYZ」
「TEATRO for DAYZ」のエクステリアやインテリアはとてもシンプルです。コンセプトは『真っ白なキャンバス』。走行中は真っ白なインストルメントパネルに計器類や地図などが映し出されます。
「TEATRO for DAYZ」がその威力を発揮するのは、運転を終えてから。車名となったイタリア語の“TEATRO”は英語で“Theater”を意味します。その名の通り「TEATRO for DAYZ」は、まるで劇場や映画館にいるかのように、インストルメントパネルをはじめとしたインテリア全体にリアルな映像を映し出すことができるのです。何を映して遊ぶかは、カスタマーであるShare Nativesの自由。「TEATRO for DAYZ」を駆使し、アウトドアに即席フェスティバル会場を生み出したり、視界いっぱいにゲーム画面を映して大音量でゲームを楽しむこともできるでしょう。また、季節の変化やその日の気分でインテリアのデザインをアレンジしたり、離れた友人と旅先で出会った幻想的な風景を仲間とオンラインでシェアしながらパーティーを楽しむことだってできます。
エクステリアには、自己表現を楽しむためのLEDスクリーンを搭載。車内だけでなく外でもアイデア次第でさまざまな楽しみ方を実現できます。「TEATRO for DAYZ」で遊ぶ様子は、スマートフォンはもちろん、車載カメラからもすぐにシェアできます。そしてEVである「TEATRO for DAYZ」はスマートフォンをはじめとするガジェット類の電池切れの不安から解放されることを意味します。
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レイアウトの制約から解放されたHuman Machine Interface
「TEATRO for DAYZ」のHuman Machine Interface (HMI)は、既存の概念とは大きく異なります。ドライバーの目の前にあるのはステアリング、アクセルペダル、ブレーキペダルだけ。他のHMIは、真っ白なインストルメントパネルに現れます。運転中はドライブモードとなり、計器や各種インフォメーションをすべてインストルメントパネルのスクリーンに映し出します。メーターやカーナビゲーションなどは、好きな場所に、好きな大きさで自由に配置。不要なものは消してスペースを有効に使えるのが特徴です。
長くクルマに親しんできた世代とはまったく異なる楽しみをクルマに見出すShare Nativesならではの想像力を刺激する「TEATRO for DAYZ」には、無限の可能性が詰まっています。インテリア全体をスクリーンとして活用するという機能は、今後テクノロジーの進化により実用化できるようになるでしょう。
真っ白な姿で佇み、起動後は車内や車外に様々な世界を映し出す。躍動感ある「TEATRO for DAYZ」の姿をぜひ東京モーターショー2015の会場やコンセプトムービーでご覧下さい。その時、皆様の中に眠った無限の創造性が目を覚まし、多くのアイデアが湧き立つのを感じられるはずです。“クリエイティブ心の刺激”。これこそが「TEATRO for DAYZ」最大の機能。まったく新しいこのガジェットをどう使うかは、手にした皆様の自由です。