24kWhで30万円は新品の半額以下! 日産がリーフ用再生バッテリーを発売

バッテリーの劣化による航続距離の低下に悩んでいる先代リーフのオーナーに朗報である。日産がリーフ用に再生バッテリーを使った新たな有償交換プログラムをスタートさせたのだ。価格は24kWhで30万円。新品の半額を下回る設定である。
用いられるのは、日産自動車と住友商事との合弁会社、フォーアールエナジーが手掛ける使用済みバッテリーの再製品化技術により再生されたバッテリー。今後のラインアップ拡充も予定されている。
ちなみに新品バッテリーも有償交換プログラムが提供される。価格は24kWhが65万円、30kWhが80万円、40kWhが82万円となる。

先代リーフの中古車価格は今、暴落といってもいいレベルにある。バッテリーの性能低下により、特に冬などはとても使い物にならない状態になってしまうことが知れ渡っているからだ。これは新車販売にも、微妙に影を落とすことになるのは言うまでもない。
しかし、30万円でそれが新車時並みの性能に戻るとしたら、それで十分という人は少なくないはず。正直、これまでは対象外という感じだったが、にわかにリーズナブルに、そして魅力的に見えてきた感は否定できない。中古車価格への今後の影響が楽しみだ。

尚、この再生バッテリーは、福島県双葉郡浪江町が東日本大震災後に整備している企業立地の第一号として開所した、使用済みリチウムイオンバッテリーの再利用および再製品化に特化した日本初の工場にて製造される。使用済みバッテリーのリユースは、環境問題、社会課題の面からも、そして材料費高騰という経済的課題の面でも、きわめて有効な解決手段なのは言うまでもない。
仮にそれ無しにEVの、リチウムイオンバッテリーの大量生産が進んだとしたら、「EV=環境に優しい」なんてウソになる。バッテリーのリユースがあってこそ、EVというエコシステムは完成するのだ。
再生バッテリーは、世界初となるEV向け交換用再生電池のほか、定置型蓄電池システムや電動フォークリフト等に使用される予定。これまで、なかなか実現に至らなかった使用済みバッテリーの2次利用。これによってEVが一歩、本当の意味でサステナブルな存在に近づいたのは間違いない。
島下泰久