運転支援装備も一気に進化! 新型アルファード ハイブリッド試乗レポート Part.2
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マイナーチェンジを受けて登場した新型トヨタ アルファード ハイブリッド Executive Lounge S。その心臓となるハイブリッドパワートレインには変更は無いが、電気モーターならではの豊かなトルクによる、車体の大きさを苦にしない発進の容易さ、レスポンス、そしてシームレスな加速感は、前回お伝えした通り、格段に上質感を増した乗り味と、とてもよくマッチしている。
では肝心の燃費はと言えば、主に高速道路を多用しつつ、渋滞にもハマり市街地も走るという使い方で355.1kmを走り、車載燃費計には11.8km/ℓという数字が残されていた。走行した場所も距離も異なるとは言え、続いてテストしたヴェルファイアのV型6気筒3.5ℓモデルの18インチ仕様が、ざっくり6.6km/ℓだったことを考えれば、上々も上々と評するべきだろう。
そして、こちらも大いに感心させられたのが、新たに搭載された予防安全パッケージの「Toyota Safety Sense」である。ミリ波レーダー+単眼カメラというハードウェアの基本構成は従来と変わらないが、機能的には新たに、プリクラッシュセーフティには新たに夜間の歩行者、自転車運転者の検知機能が加わり、更にレーントレーシングアシスト(LTA)、ロードサインアシスト(RSA)、先行車発進告知機能(TMN)が追加されている。
LTA(レーントレーシングアシスト)は、ステアリング操作をアシストして車両を車線内に維持する。車線を逸脱しそうになった際には警告を発しながら、やはり車両を車線内へと引き戻す。これと全車速追従機能付レーダークルーズコントロールの組み合わせは強力で、高速道路の同一車線内を走行する限りは、ほぼ自動運転に近い印象すら得られるほどだ。
しかも、それでも普段からステアリングフィールに過剰な制御感があるわけではなく、まさに必要な時だけスムーズに介入してくるだけ。この辺りもとても好ましい。
とは言え、きちんと車線内をまっすぐ走ってくれるのは、制御だけの力によるものではない。シャシーの進化、熟成あってこそ、制御が活きている。強い横風に見舞われることの多い東京湾アクアラインで、余裕をもってステアリングを握ることができるほどの走りの進化に、大いに目を見張ったのである。
Part.3に続く
島下泰久