速報! 新型ニッサン リーフ公道試乗!! Part.1
間違いなくEV関係では今年最大のニュースだろう。ニッサン リーフがフルモデルチェンジして2世代目へと生まれ変わった。その新型リーフを早速テストしたので、速報としてテキストと動画でお送りしたい。
新型リーフにはいくつものセールスポイントがある。まずは航続距離。JC08モードの数値では先代の280kmから一気に400kmへと飛躍的に引き伸ばされたのだ。リチウムイオンバッテリーの容量は30kWhから40kWhへと増やされているが、それだけでなくパワートレインの効率性も向上させたことで、航続距離400kmを実現したのである。
E-ペダルの採用もトピックだ。ノートe-パワーで初採用された、アクセルペダルをオフにすると減速Gを発生し、ワンペダルドライブを可能とするこのシステムは、減速Gが更に高められ、更には油圧ブレーキも併用することで、より緻密な制御ができるよう進化している。実際、走行状況の90%をアクセルペダルだけでカバーできると日産は謳っている。
レベル2運転支援機能の「プロパイロット」も搭載された。これはセレナ、エクストレイルで使われたものと同様で、セットすると設定速度のキープ、前走車への追従だけでなく、ステアリングのアシストによる車線キープも行なう。
走らせると、その快適性の高さに驚いた。サスペンションはとてもソフトに躾けられていて、乗り心地はふんわりとした印象。軽い操舵感のステアリング含めて、かなり落ち着いた方向のセッティングになった。静粛性も非常に高い。路面を選ぶ印象はあるものの、全般にはクラスを超えた静けさと評していい。
特に快適なのは後席だ。フロントはフロアにやや振動が出ることがあるのだが、リアシートは至極快適。家族を乗せる機会が多い人にとっては、これはかなりの説得材料になりそうである。
パワートレインは相変わらずの滑らかさ。トルクも十分で、必要なときには機敏なダッシュ力を発揮することもできる。これだけパワフルならば、普段はECOモードで十分と感じるほどだ。
しかも最高出力は80kWから110kWに大幅に高められて、0-100km/h加速は実に15%も短縮されている。静粛性が高まっている分、加速のスムーズさが一層強調された印象で、EVならではのドライビングファンをしっかり味わえる。
e-ペダルはノートe-パワーのそれと較べると減速Gが強く出るようになった分、慣れが必要だが、停止寸前の挙動が滑らかで、特に街中では好印象。東名高速で遭遇した渋滞の際にも加減速のたびにいちいち踏み変えをしなくても済むため、とてもラクだった。停止、そして停止状態の保持もブレーキペダル要らず。パーキングブレーキ含めて自動で制御されるのだ。オン・オフ出来るので、ノーマルモード、ECOモードあわせて好みの走行感覚を見つけるのも、また楽しい。
スタイリングは完全に一新された。ハッキリ言ってヒットしなかったのはそのせいと言いたくなった(実際に色々なところでそう書いたが…)、スタイリングはグッとシャープに。実はガラスなどは先代から流用しているが、言われなければそんなことは意識させないだろう。物凄く個性的とは言わないが、スタイリッシュに仕上がっている。
インテリアも、クオリティ自体は並レベルだが、落ち着いたデザインになり、7インチTFT液晶パネル化されたメーターなどにより未来感もアピールされている。満足度は上がっているはずだ。
さて、肝心な走行距離だが、日産自動車で車両をピックアップした時には、100%充電状態で、航続可能距離は257kmと表示されていた。直前の走行状況などにも左右されていたはずだが、とりあえず400kmに対して、ざっと65%となる。先代もモード電費280kmに対して、ざっと180〜190km前後という表示だったから、感覚的にはほぼ同じような印象だと言っていいだろう。モード燃費はあくまで参考。実際に1度の充電で250kmを走行できれば使い勝手としてはかなりのレベルに達したと言える。そこを評価したい。
こうして見ていくと、新型リーフは、先代に対してあらゆる要素がアップグレードされていることが解る。そのスタイリングの受容性も含めて、これまでより売れない理由はまったく無いはず。いよいよブレイク? と期待させた、新型リーフの第一印象だった。次回は動画で、走りの雰囲気をお伝えするつもりだ。
Part.2 動画レポートにつづく
島下泰久