スマートはEVブランドへ! スマート ヴィジョンEQ フォーツー発表
フランクルフトモーターショー開幕前夜、スマートが衝撃の発表を行なった。2020年までに、スマートはEVブランドへと転換するというのである。
一方でスマートは、新しい時代のクルマの使い方、使われ方に積極的に応えるブランドになろうともしている。スマート ヴィジョンEQ フォーツーは、まさにその象徴とも言えるモデルだ。
容量30kWhのリチウムイオンバッテリーを搭載するこのEVは、車体前方に文字などを表示できる大型のブラックパネル、そして左右に大型プロジェクターを搭載する。前方のパネルでは、周囲の交通とのコミュニケーションが可能。現在、乗車しているのが1名か、2名かも示される。そして、左右のプロジェクターは、誰かが乗車している時には様々なカラーの選択などで個性をアピールすることができる一方、不在時にはイベントインフォメーション、天気予報など様々な情報を表示できる。要するに、誰も乗っておらず、停車している状態であっても、情報インフラとして機能するようになっているのだ。
高効率なカーシェアリングを可能とするため、ヴィジョンEQ フォーツーは未使用時にも多くのユーザーの居る場所へと自動的に移動する。当然、呼び出しなどはすべてスマートフォンで可能。面白いのは、同じ方向へ向かおうとしているなどの他のユーザーと連絡することもできるということである。その際には、車内の大型ディスプレイには、ふたりに共通して興味をひきそうな情報が表示される。クルマは単なる個人の移動手段ではなく、コミュニケーションツールとなるわけだ。
なお、ヴィジョンEQ フォーツーは、一般ユーザーが手に入れることはできない。ダイムラーが展開しているカーシェアリングサービスの「car2go」専用車なのだ。この辺りも、実に大胆。EV化も含めて、スマートは目下、大変革の最中にある自動車業界の中でも、群を抜いてアグレッシヴなブランドになりつつあると言えそうである。
島下泰久