ポルシェ、メルセデス-ベンツ、相次いでフォーミュラE参戦を発表!
モータースポーツ界に、いよいよ電動化の波が本格的に押し寄せてきた。
7月24日、メルセデス-ベンツはフォーミュラE シーズン6(2019/2020)からの参戦を発表。これ自体は既定路線ではあったが、驚いたのは代わりに長く参戦を続けてきたDTM(ドイツ ツーリングカー選手権)からの2018年シーズン限りでの撤退を表明したことであった。
そして7月28日、更に衝撃的なニュースが飛び込んできた。
ポルシェまでもが同シーズンからのフォーミュラE参戦を明らかにしたのである。そして同様に、ポルシェもWEC(世界耐久選手権)の最高峰LMP1-Hクラスへの参戦を、今シーズン限りで終了すると発表した。
メルセデス-ベンツは新たに電動モビリティに特化した「EQ」ブランドを立ち上げ、本格的なEVラインナップの充実を図ることを、すでに発表済みであり、これをプッシュするためにも、フォーミュラEへの参戦は理に適った選択と言える。もっとも、ドイツ国内で高い人気を誇るDTMを退くとなると、国内ファンをどう納得させるのかとも考えてしまうが、おそらくはAMG GT3を使用するGT3でのレース活動が、それを穴埋めすることになるのだろう。
そしてポルシェも、やはりハイパフォーマンスEVスポーツカー「ミッション-E」を鋭意開発中である。その発売と近いタイミングで電気自動車のレースに参加するのは、WEC参戦でハイブリッド/プラグインハイブリッド車のセールスを後押しするのと、同じ理屈と取ることができる。F1参戦の噂もあったポルシェだが、ハイブリッドであるという意味ではWECと変わらないF1より、フォーミュラEの方が将来に向けたビジョンにマッチするのは確か。とは言え、まさかポルシェまでと驚かされたのは事実だ。
尚、フォーミュラEにはすでにルノー、DS、ジャガーが参戦中。アウディ、BMWも参戦を決めている。日本メーカーの参加は、未だ1社も無い。関係者は模索しているが、レース開催の可能性すらも未だ見えてこないのが現状である。日本ほどEVが身近な国は、そう無いのだが………。
島下泰久