BMW i3 長期レポート 2年2万5000kmでバッテリーは弱る?
EVの購入を検討するにあたって最も懸念される問題点は、バッテリーの寿命ではないだろうか?20万km走った時の容量減については、もちろんその距離を走ってみなければ解らないが、リーフオーナーの話を聞いている限りでは、10万キロ少々では1割程度の劣化は見られるけれど走行可能距離が半分以下になるようなトラブルは普通に使っている限りはあまりない。
サステナBMW i3はというと2年で25000kmを走破したが、走行可能距離は今頃の気温20度少々の季節で100%充電で約130km(もちろん直前の走行パターンによって異なる)と新車の時と感覚的にまったく変わっていない。バッテリーが劣化してくると急速充電のスピードが落ちてくる症状も今の所新車時と変化無し。200V普通充電の無い環境で運用しているため充電のほとんどを急速充電で行なっており、充電パターンについても特にバッテリー寿命について考えた充電方法などは行わず普通に減った時に急速充電を行い、走行して減ったら急速充電という感じで繰り返しているが、この程度の使い方では劣化しないというのは朗報ではないだろうか?
車両自体の劣化はというと、一般的なトルコンAT車だと2万キロ前後の辺りで都内での街乗りを繰り返していると1速から2速に上がるタイミングで少しだけコツッとシフトショックが出たりし始めるが、変速機が存在しないシングルスピードのモータードライブのi3は発進時のシフトショックというもの自体が存在しないし、それは2万5000km走っても何も変わらないというのは大きな発見。もちろんモーター自体も劣化は一切なくスムーズそのもので、ここまでバッテリーと駆動関係では、3機ほどの急速充電器(ごく初期型のchademo充電器)でエラーが出て充電出来なかった以外はまったくのノートラブル。
トラブルらしいトラブルといえば、レンジエクステンダーのガソリン給油口のセンサーが誤反応して開かなくなった事が一番大きいが、その期間はピュアEVとして運用してみて、ピュアEVでも東京圏から外に出ない日常使いでは航続距離はまったく問題ないと経験出来た。(後日ソフトウェアアップデートで解決。)あとは、超微速でステアリングを切った際にかすかにギコギコと音がする程度で、EV特有と考えられるトラブルは一切発生していないし、この異音はサービス時にグリスを塗る程度の事で解決出来ると思われる。
2年2万5000kmという段階で見るなら、2016年式BMW i3の信頼性は十分に高いと見て良さそうだ。
文:編集部