深堀りプリウスPHV Part.2「長期間乗らない時の駆動用バッテリー管理は?」

長期間の出張が入りやすい仕事だったり、複数台車両を持っていて使う頻度が少なかったりと、プリウスPHVを購入しても1ヶ月や数ヶ月乗らないという事があるユーザーも居るだろう。リチウムイオンバッテリー搭載車とあって、バッテリーの管理や寿命についても気になるところだが、プリウスPHVのHVドライブトレーンを開発したトヨタ自動車パワートレーンカンパニー HVドライブトレーン開発部の宮坂賢治氏に伺ったところ、「プリウスPHVのリチウムイオンバッテリーは、システム表示上で満充電、もしくは残量ゼロとなっていてもバッテリー自体を壊さないように上限と下限に余裕を持って設計、制御してあるので日常使いで特に心配して走る必要はありません。」との回答を得た。
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長期間、例えば3〜4ヶ月乗らない場合の保管方法については、「リチウムイオンバッテリーにとってSOCが極めて高い状態で長期間保管よりSOCが低い状態で保管した方が良いので、HVモードまで残量を使って(つまり残量20%)保管した方がバッテリーの寿命は長くなります。それより長期間乗らないとなると、リチウムイオンバッテリーよりも12Vバッテリーの方が心配されますが、少なくとも駆動用リチウムイオンバッテリーについては心配の必要はありません。
ソーラーパネル装着車が満充電まで充電を行わず80%でストップするのもバッテリーの長寿命化が理由のひとつだったり、急速充電も80%以降はスピードが落ちたり、SOC低下時にHVモードに切り替わったりと、リチウムイオンバッテリーについては様々な対策を取っておりますので、普通に使って頂いて大丈夫なように設計しています。」とのアドバイス。
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編集部が先日乗った先代ZVW30型のプリウスタクシーは走行距離34万kmだったが、ドライバー曰く「駆動用バッテリーは一度も交換していません。少しバッテリーが減るのが早くなった気がしますが、まだ大丈夫そうです。」と言っていた。ニッケル水素とリチウムイオンバッテリーいう差や、使用条件にもよるだろうが、あのトヨタの開発者が「普通に使って頂いて大丈夫です。」というのだから、普通に使って大丈夫ということだ。
深堀りプリウスPHV Part.1「新採用のチャージモード」
文:編集部
写真:編集部