ポルシェ“本気”のPHV、パナメーラ4 Eハイブリッド試乗 Part.1
昨年夏に発表された新型ポルシェ パナメーラだが、サステナが本命視ししていたのは、もちろんPHVだ。期待通り、遅れて登場したその名もパナメーラ4 Eハイブリッドは、まさにすべての領域で飛躍的な進化を遂げている。
エンジンは従来のV型6気筒3ℓ直噴スーパーチャージャー付きから、V型6気筒2.9ℓ直噴ツインターボに。肝心なのは、従来のアウディ製から、ようやくポルシェ製エンジンとなったことだ。同様にギアボックスも従来の8速トルコンATから、ポルシェのお家芸たる8速PDKに改められ、駆動方式もFRからフルタイム4WDへと改められた。
そして電気モーターの出力は95psから136psへと約1.5倍にまで高められ、システム最高出力は46ps増の462psに達している。この数値はパナメーラ4Sの440psを凌駕するもの。最大トルクも700Nmに達する。それでも従来と違って車名に「S」が入らないのは、240kgにも及ぶ重量増との兼ね合いだろう。
駆動用リチウムイオンバッテリーの容量も従来の9.4kWhから14.1kWhへと、やはり1.5倍に増やされている。これによって電気モーターだけで最長50kmの走行が可能になった。尚、先代のそれは最長32.1km(JC08モード)である。
この新しいプラグインハイブリッドパワートレインを収めるボディは、MSBと呼ばれる新しいアーキテクチャーの採用によって広範にアルミニウム化が進められ、軽量、高剛性を更に追求している。また、ロングホイールベースのエクスクルーシヴを、新たにPHVでも選択できるようになったことも記しておこう。外観上のEハイブリッドの識別点は、フェンダーとリアのグリーンで縁取られた「e-hybrid」、「Panamera 4」のバッジ、そしてライムグリーンのブレーキキャリパーだ。
操作系が完全に刷新されたインテリアは、ステアリングホイール上のダイヤルスイッチが、ハイブリッドのモード切り替え用となっている。モード切り替えはタッチスクリーンでも可能。こちらではバッテリーセーブ、バッテリーチャージなどの機能も呼び出すことができる。もっとも、スイッチひとつというわけには行かず、いくつかの階層を経なければいけないのは、少々煩雑ではあるが……。
とは言え、操作にはすぐに慣れる。ひと通り理解したら、いよいよ走り出そう。敢えてドライバーの左手側に、キーの形状で残されたスタートスイッチを右に捻るとエンジンが始動……はせず、電子音とともに「READY」の表示が出る。新型は始動時には基本的に、常に「E-POWER」モードが選択されるのだ。PDKのセレクターレバーをDレンジに入れ、アクセルペダルを踏み込むと、パナメーラ4 Eハイブリッドは静かに、そして滑らかに走り出した。
===以降、Part.2へ続く===
島下泰久