THS2(ハイブリッド)搭載グレードもある、トヨタC-HR試乗速報

大径タイヤを履き、鋭いエッジが強調された大胆なスタイリングがまず印象的なトヨタC-HR。その名は、デザイン面では「Compact High Rider」、走りの面では「Cross Hatch Run-about」の略だという。実際、見た目と同様、いやそれ以上に走りを徹底的に磨き上げている。
プリウスに続くTNGA(トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー)採用ということは、それだけでも基本性能の高さがうかがえるところだが、C-HRはパネル接合に構造用接着剤を多用し、ステアリングサポートを新設計するなどしてボディ剛性を徹底的に高め、17&18インチタイヤを吊るサスペンションにはザックス製ダンパー、新開発ウレタンバンプストッパーを採用。本人もレースを趣味とする開発責任者が、徹底的にフットワークを鍛え上げたという。
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パワートレインは、1.2ℓターボエンジン+CVTの4WD、そしてハイブリッドのFFが設定される。サステナが注目するのは、もちろんハイブリッドだ。
その内容はプリウスと基本的に同内容。ギア比は低くされているが、これは主に大径タイヤへの対応で、走行性能のためではない。実際、車重はプリウスのE-Fourとほぼ同等である。
テストコースで試乗したところ、加速感は十分に滑らか、パワフルだった。むしろ立ち上がりは、プリウスより力強いとすら感じられる。
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理由は、ちゃんとあった。実はC-HRでは新しいアクセルペダルを使っている。ペダルストロークを切り詰め、そのストロークの中で更に精密な制御が出来るようになっているといい、これがより意のままになる反応に繋がっているのだ。
一方、高速域では、空力性能に勝るプリウスの方が伸びがあるように感じられた。但し、日本の高速道路の法定速度を超えたところでの話である。
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そして何と言ってもフットワークだ。ボディはフィーリングとしても確かに剛性感が半端なく、サスペンションのストロークをとてもしなやかに感じさせる。姿勢変化は適度に許容しつつ、しっかりその動きと速さをコントロールしていて、操舵に対してスッと遅れなく反応するのに、とにかく安心感が高く、背の高さをイヤな意味で意識させることがない。
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いやはや、こんなに気持ち良い走りが実現されているなんて! C-HRのステアリングを握っていると、自然と正しい運転に導かれていく感じすらある。運転がうまくなるコンパクトSUV、と言ってもいいかもしれない。
今回はテストコースという条件の限られた舞台での試乗だったが、ポテンシャルは十分に確認できた。早く一般道で試してみたい!
文:島下泰久
写真:TOYOTA