プリウスとの違いは明らか! 新型プリウスPHV先行試乗 Part.2
Part.1はこちら
新型プリウスPHVの先行試乗の舞台は、袖ヶ浦フォレストレースウェイ。但し、サーキットを使ったのは限界性能を探るためではなく、あくまでも、まだ発売前のモデルだからである。
ピットレーンから発進して、コースへ合流。アクセルを踏み込んでいくと軽やかに速度が高まっていくが、もちろん、この時にはエンジンは始動しておらず、電気モーターだけで走行している。発進直後だけを電気モーター駆動して、すぐにエンジンを始動するプリウスとは、この時点ですでに違っている。加速力は十分だし、室内は静かなまま。PHVの旨味を早速感じることができた。
通常は、アクセルを全開にすれば自動的にエンジンが始動するが、EVモードではその代わりにデュアルモータードライブが行なわれる。駆動用の電気モーターに加えて、ジェネレーターも駆動用として活用して、より高い出力を発生させる、プリウスPHVだけの特徴である。実際、その走りは十分にパワフル。仰け反るほど速いわけではないが非力感は無い。しかも135km/hまでエンジンをかけることなく走ってくれる。
つまりバッテリーがしっかり充電された状態ならば、プリウスPHVは、それなりの距離をEVのように走ってくれる、と言える。EV走行距離は60km以上と、先代の26.4kmの倍以上にもなる。これなら週末の遠出などを除く普段使いの多くの範囲を、ほとんどエンジンを始動させることなくこなせそうだ。
速度が上がったり、負荷が高まったりして、エンジンが始動する時も、それを意識させるようなショックなどはなく、動作はきわめて自然である。エンジンが停止する時も同様で、制御の緻密さを実感させる。
但し、エンジン音ははっきりと伝わってくるから、始動に気付かないということはない。この辺りの遮音あるいはエンジン自体の音作りは、もう少し頑張っても良かった気はする。エンジンが始動した瞬間、何とももったいないような気分にさせられるのが、PHVである。もちろん、かかってしまうのは仕方がないのだが、それを極力、意識させないで欲しいのだ。
とは言え、それもあえて言えばの話。電気モーターだけでこれほど走ってくれるならば、十分に満足、納得できそうではある。
続く。
島下泰久