航続距離300kmを実現したアップデート版BMW i3に乗った Part.2
リチウムイオンバッテリーの全電力量が22kWhから33kWhへと拡大されたアップデート版BMW i3。これによって航続距離は、NEDCサイクルで従来の190kmから300kmへと拡大した。そして実際、満充電の状態で受け取った試乗車のエネルギーモニターには、残り走行距離として205kmという数字が表示されていた。
しかも、主に郊外路、時々市街地という約60kmの試乗コースを走り終えた後にも、残り航続距離は170km以上を残していた。ストップ&ゴーが少ないドイツだからこその数字であることは確かだが、これは期待以上。郊外であれば、1度の充電で240〜250kmを走行することも夢ではなさそうだ。
この33kWh阪にも、もちろんレンジエクステンダーを装備することができる。その場合、EV走行距離は230km、レンジエクステンダーにより最大150kmプラスの、合計380kmの航続距離を確保することができる。ピュアEV仕様に対するEV走行距離の目減りが気になるかもしれないが、車重が変わること、レンジエクステンダー装着車は充電量が7%を切ったところで自動的にエンジンが始動することなどから、このような数字になるという説明であった。更に言えば、これはあくまでモード燃費である。
しかしながら、これだけ走ってくれるとなると、敢えてレンジエクステンダー無しという選択もアリかも? と思う。車重は軽くなり、乗り味もやはりいい。そして当然、価格も安いわけだし…。
デザインも走りも、そしてその環境負荷の小ささも、i3は依然として他にはない大きな大きな魅力を保っている。日本でのセールス、あまりいい状況ではないようだが、これを機に、再注目されることを願うばかりだ。
また、従来の22kWh版も継続的に販売される。ニーズに応じて選ぶことができるようになるわけだ。
島下泰久