テスラ、モデルSのリモート駐車機能を試した!

DSC_9594_re
5月18日、テスラモーターズは日本市場において、モデルS向けのスマートフォンを使ったリモート駐車機能「サモン」のソフトウェア無料配信を開始した。
“召還する”、“呼び起こす”などを意味する英語の“Summon”から取られたこの機能は、車外に居ながらスマートフォンによる操作で駐車を指示し、車両を真っ直ぐ前進、あるいは後進させることができる。ドアを開けて乗り降りするにも難儀するような狭い駐車場やガレージで、大いに役立ちそうな機能だ。

サステナではいち早く、この「サモン」をテストしてみた。動画を見ていただければ一目瞭然なのだが、操作は非常に簡単。モデルSを停車させて、パーキング状態にして車外に出たら、手元のスマートフォンのアプリを起動して指示を与えるだけ。車両は指示通りに自動で前進もしくは後進する。
DSC_9768_re
驚くのは、まず駐車スペースから12メートル以内であれば使えるという操作範囲の広さだ。もちろん、障害物などを検知すると車両は自動停止するし、アプリに表示されるボタンを使っても、すぐに停車させることができる。しかも前進、後進だけとはあるが、実際にはたとえば横の壁との距離が近過ぎる場合などには、ステアリングの微修正も行なってくれる。
DSC_9737_re
前進、あるいは後進していって、駐車スペースに収まったら、車両が自動停止して機能は終了。まったく難しいところはない。
ちなみに前後左右の壁などとの最大接近距離は、車内で任意で設定することができる。結構攻めることもできるが、十分な余裕を確保しておくことも可能だ。実際のところ、左右のクルマはサモンを搭載しているわけではないだろう公共の駐車場などよりも、自宅ガレージがタイトな環境にある人にとって、有用な機能と言えそうである。
DSC_9746_re
尚、使用にあたってはスマートフォンに最新のOSを使い、テスラモバイルアプリをダウンロードしておくことが必要だ。
ちなみにこのサモンは、アメリカではすでに2016年1月より提供されている。日本では4月15日に国土交通省の承認を得たばかりである。納車済みのモデルSには順次、ソフトウェアアップデートにより機能追加が行なわれ、本日5月18日から使用することができる。もちろん、これから納車される車両には標準でインストールされる。
DSC_9722_re
価格は当然、無料である。参考までに先日、同種の機能「リモートパーキング」を設定したBMW 7シリーズの場合、7万4千円のオプションである。もちろん、後付けは不可能だ。
しかもサモンは、年内に日本での納車を開始する予定のモデルX、そして先日お披露目されたばかりのモデル3にも搭載される。つまりテスラの駐車は、車外からというのが当たり前になるのかもしれない。
尚、このタイミングでモデルSは既報の通りのデザイン変更を行なっている。フロントはノーズコーンが無くなり、よりシンプルに。サイドロッカーパネル、リアディフューザーもリデザインされている。また、ヘッドランプはフルLED可され、14LED 3ポジション ダイナミック ターニングライトも採用となった。
DSC_9665_re
デザイン以外にも、モデルXから投入されたHEPAフィルターのオプション追加も注目したい。何しろ99.97%の微粒子状汚染ガス、アレルギー源、バクテリアや他の汚染物質をシャットアウトするというのだから、もはや日本の都市部では必需品ではないだろうか?
その他、標準装備の充電器が40アンペアから48アンペアとされ、より高速な充電が可能になってもいる。
試乗車は70D。ハイパワーバージョン以外は実は初めて乗ったのだが、それでも当然というべきかパフォーマンスは十分以上で、実に爽快に走る。19インチのタイヤ&ホイールも、乗り味をマイルドにしているようだが、それだけでなくモデルS自体、登場当初より全体にだいぶ洗練度を高めているようにも感じられた。
そろそろ買い時? 美しい姿を眺めながら、ふとそんなことを思ってしまったのは本当である。