レクサスLC500hの「マルチモードハイブリッド」って? Part.2
ジュネーヴ国際モーターショーで発表されたレクサスLC500hが搭載する“マルチステージハイブリッド”とは、V型6気筒3.5ℓエンジンに2基の電気モーター/ジェネレーター、そして4段ギアのオートマチックトランスミッションを組み合わせた、まったく新しいハイブリッドシステムである。しかも面白いことに、このシステムを使ってLC500hでは、仮想10速ATを実現しているのだ。
システムの後端に接続される4段のトランスミッションは、仮想の1-3速、4-6速、7-9速、10速にそれぞれ対応しており、その1-3速間、4-6速間、7-9速間は、お馴染みのいわゆる電気式CVTが仮想ステップATとして変速感を演出するという仕掛けである。
「これまでのハイブリッドでは、皆さんにラバーバンド的と言われた抑揚の無いフィーリングになっていましたが、このシステムでは各ギアでの伸びやかな吹け上がりの演出に、とても気を遣いました。また変速は電気式ですから、たとえば油圧を使ったDCTなどよりも速く行なえます。」
こう言うのは、このシステムを開発したトヨタ自動車株式会社 HVシステム開発室の大島主査。絶対的な動力性能はLC500には及ばないというが、それでも0-100km/h加速は5秒を下回るという。心地よい吹け上がりと瞬間ギアシフト、余裕の動力性能と圧倒的な燃費が実現されているとしたら、期待の高まりを抑えきれない。
「レクサスはハイブリッドのパイオニアですから、ハイブリッドはまだまだ進化するんだというところを、LC500hでは表現したいと考えていました。楽しんでいただけるはずですよ。」
LCのチーフエンジニアを務めるレクサス インターナショナルの佐藤恒治氏は、こう言う。レクサスのフラッグシップクーペであり、日本のハイブリッド技術の先進性を世界に示す1台となりそうなLC500h。その走りと高効率性、試すことのできる日が楽しみだ。