動画レポート//どれを選ぶ? 新型プリウス!

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1年のはじまりから、物凄いインパクトをもたらしたのが、新型トヨタ プリウスの素晴らしい進化っぷりである。詳細なインプレッションは動画を観ていただくとして、正直、『トヨタがこんなに良いのを出しちゃったら、他車はどうすればいいのよ?』なんて言いたくなってしまうほどの出来の良さだ。
しかも燃費も凄まじく向上している。今回の撮影車も街中、首都高をごく普通に走らせただけなのに、都合200kmほどを乗って給油量は7Lにしか過ぎなかったとスタッフから報告が入った。30km/Lが当たり前に狙えてしまうのである。

そんな新型プリウスの旨味を余さず味わうには、さてどのグレードを選べばいい?
40km/Lの燃費で選ぶなら、エントリーグレードの「E」一択になる。但し、Eは価格と燃費のために多くのものを捨てている。室内を見れば、ステアリングはウレタンだし、特徴的なアームレストも無し。いや、それどころか燃料タンクは小さく、リアスタビライザーは無く、ウォッシャータンク容量は4.8Lから2Lに……という具合だ。
とは言え走りは、較べればやはり直進性などは落ちるけれど、スタビライザーが無くてもよくまとまってはいる。これに“Toyota Safety Sense P”だけ付けた潔い仕様が、もっともプリウスらしいかもしれない。
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きっと売れ筋となるのは「S」「S“ツーリングセレクション”」だろう。まあこれなら不満はない……と思いつつ、もはや“Toyota Safety Sense P”無しはあり得ないとなると、いっそコレが標準で、ブラインドスポットモニターやシンプルインテリジェントパーキングアシストなどもつく試乗車の「A」の方がいいかも? 但し、価格差はざっと30万円。簡単にはお勧めできない金額差になってくる。うーん。
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「Aプレミアム」は、本革シートが欲しければどうぞ。きっと輸入車からの乗り換えなどで、“クオリティに妥協しないプリウス”という選択を求める人は一定数いるはずで、これを用意しているのは見識だ。一方で、「S」、「A」、「Aプレミアム」の“ツーリングセレクション”には合成皮革ではなく布張りのシートが欲しいという声も。正直、シートはたしかに布張りの方が好感触である。
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新設定のE-Fourについては、当初は“必要があればね”くらいに思っていた。後輪駆動用モーターは容量が大きくはなく、主に日常走行時の操縦安定性に的を絞った4WDだろうと見たからだが、既報の通りその走破性はカナリのもので、オンデマンド式だからと侮れない。厳しさを増す最近の日本の気候を考えると、降雪地帯在住ではなくても、距離を乗る人は、余裕があればこちらを選んでおくのもアリかもしれない。
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そんなわけで個人的に選ぶとしたら、せっかくだし「E」に“Toyota Safety Sense P”か、あるいは「A」の2択となりそう。うーん、やっぱり4WDはほしいかな? 実用車としては、これでもう満足できてしまいそうで怖い。
但し、超ベストセラーカーのプリウスだけに、人とは違った、ちょっと気の利いた買い物がしたいという向きには、ちょっと物足りないかもしれない。そこで気になるのがPHVなのだが、それについてはまた改めて。
文:島下泰久
写真:編集部、トヨタ自動車