お正月休みの水素事情 MIRAI長期テスト Part.2
新年おめでとうございます。
今年もサステナをよろしくお願いします。
長期テストと言いつつ、またもクルマ本体の話ではなく、インフラの話。
MIRAIを走らせるのに欠かせない水素の充填、現状では平日の日中ですら難儀することがあるというのは、以前にお伝えした通りだ。では、世間の正月休みは一体どうなってしまうんだろう。この様子だと、もしかしてどこでも充填できないなんてこともあり得るのでは……。あるいは、そう思われた方もいらっしゃるに違いない。もちろん、筆者もそんな不安を抱いていた。
では実際どうだったか。
ユーザー向けのスマートフォン用アプリ「Pocket MIRAI」のキャプチャー画面をご覧頂きたい。
結論から言えば、営業している水素ステーションはゼロではなかった! 関東では練馬水素ステーション、関西では北大阪水素ステーションの計2箇所が、正月にも営業していたのだ。感涙…………と言いたいところだが、それにしても日本全国でたった2箇所とは。
しかも意外にも愛知県周辺では1軒も営業していない。この辺りでMIRAIを走らせているのは、ほとんどがトヨタ関連企業の法人ユーザーなのだろうが、それじゃダメじゃん、という気もする。
ここで1箇所でも営業していれば、東京から関西、あるいはその逆の帰省や旅行も可能だ。けれど現状では、東京からではよほどの省燃費運転をしないと大阪まで辿り着けない可能性がある。筆者のこれまでの経験からすると、ちょっと試したくはない。
ともあれ、開いていてくれてよかった。実は筆者のMIRAI、時間が無くて年末に水素の充填に出掛けられず、上のキャプチャー画像でも解るように、すでに燃料切れのコーションランプが点いているところだったのだ。せっかくなので1月2日の夕方、さっそく充填に出掛けた。目指すはもちろん練馬水素ステーションだ。
東京ガス株式会社が運営する練馬水素ステーションは、従来からある天然ガススタンド、練馬エコステーションに併設されている。目白通り沿いの大きなLNGタンクに見覚えのある方は多いはず。場所は、まさにそこである。入口は解りにくいけれど
「Pocket MIRAI」で見た情報では『年末年始は、混雑が予想されます。」と書いてあったので、念のため電話で営業状況を確認してから現地へ。すると………水素ステーション、空いていた。聞けば筆者はこの日2人目の、そして今年2人目の水素の客とのこと。何だ、1番じゃなかったのか。いや、たった2人なのか!
現時点では、それほどの来客数が見込めるわけではない年末年始に、敢えて営業しているのは、東京ガスの方針なのだという。実はここ、普段も火曜日、水曜日が休みで、他の水素ステーションがほぼ閉まっている土日は通常営業している。また、火曜日、水曜日も祭日の場合は営業しているのだそうだ。この辺りは、東京ガスという長く大都市のインフラを担ってきた企業ならではの施策と言えるだろう。その姿勢には感服。本当にありがたい。
ちなみに北大阪水素ステーションも、やはり経営しているのは大阪ガスなのであった。ナルホド、という感じである。
2016年、燃料電池自動車はどこまで普及が進むだろうか。どこまでインフラが整備されるだろうか。サステナは、しっかり見守っていくつもりである。気の早い話だが2017年の正月にも、ゼヒここ練馬水素ステーションを訪れてみたい。次は1番に……じゃなくて、何台かは列を成していればいいなと夢想しつつ。
島下泰久