VW、EV路線へ大胆シフト!

世紀の大スキャンダルを起こし、フォルクスワーゲン(以下“VW”)が揺れている。そんな中の10月13日、VWブランド取締役会は、将来に向けた新戦略を発表した。

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その内容は、従業員組合から批判の出ていた開発投資に関して、従来より年間10億ユーロの削減が決まったほか、コスト削減の可能性を拡大する効率化プログラムの加速、そしてディーゼル車に関して速やかに尿素SCRを使った排ガス浄化システムに切り換えていくといった昨今の状況に鑑みたものが中心だが、サステナが注目したのは“e-mobility”に大胆に舵を切ることになる、今後の商品戦略である。

まずVW乗用車部門が開発し、VWゴルフをはじめとする多くのモデルの土台となっているMQB(モジュラー・トランスバース・ツールキット)と呼ばれる共通アーキテクチャーの今後について。その開発は積極的に進められ、内燃エンジンの進化のほか、更に航続距離を伸ばしたPHEV、最大300kmの航続距離を実現する量産型EV、48V電力供給システムを用いたマイルドHVの展開を目指すという。

Volkswagen Golf GTE

MEB(モジュラー・エレクトリック・ツールキット)と名付けられる標準EVシステムの開発にも着手する。電気モーターだけで250〜500kmの走行を可能するコレは、コンパクトクラスを中心に、あらゆるボディ構造、車両タイプで利用可能になる。ハッチバックもカブリオレも、スポーツカーも商用車も容易にEV化できるようになるわけだ。

そして更に、そんなVWブランドの象徴となるフラッグシップサルーン、フェートンについては開発計画が見直され、何と純粋なEVとなることが宣言された。現時点ではフェートン、日本では発売されていないというだけでなく、多少台数が出ているのはドイツと中国だけ。欧州でも高級車セグメントに於いての存在感はほぼ無いに等しく、それだけに大胆な冒険が出来るのは確かである。しかし、それでもやはり衝撃的な発表であることは間違いない。

Volkswagen Phaeton

あるいはコレは、ポルシェ ミッション-Eなどともリンクしてくる話なのだろうか? 次期フェートンはおそらく、次期アウディA8、ベントレー コンチネンタルGT、ポルシェ パナメーラなどとともに、VWグループの共通アーキテクチャーを使って開発されているはず。もちろん、それはミッション-E自体が具体化されるのか、されるとしたらどのようなかたちで…ということと密接に関わってくる話なのだが。

現在、VWブランドは致命的なほどのピンチに陥っている。信頼回復への道のりは平坦ではなく、また相当な時間を要することも確実だ。そんな状況だからこそ出来たに違いない、この大胆な決断は果たしてブランドの蘇生を後押しすることになるのか。いずれにせよ彼らは、新しいアクセルペダルを踏み込み、モーターを加速させることを選んだのである。案外、これが世界の自動車産業がドラスティックに変革していくきっかけになるのかも…?