アウトランダーPHEV、大胆進化の理由は? Part.2

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 外観、内装、パワートレインにシャシーと、全身に大幅に手が入れられた新型アウトランダーPHEV。その進化のほどを確認する前に、そもそもこのクルマの一体何が世界でそれほど支持されているのか、再確認しておこう。

 その車名が、PHVではなくPHEVとされているのは、根底に三菱の「これはプラグインハイブリッドのEVなんだ」という意識がある。アウトランダーPHEVの通常の走行は、前後輪それぞれに与えられた最高出力60kWの駆動用モーターによって行なう。総電力量12kWhのリチウムイオンバッテリーを、200Vの普通充電なら約4時間、急速充電なら30分で満たした状態では、EVとしては最大、新型になって0.6km伸びて60.8kmの走行が可能だ。

 もうひとつの動力源である排気量2リッターのガソリンエンジンは、残り電力が少なくなった時、もしくは登り坂、フル加速時などの大きな力が要る場面で始動して、バッテリーの充電を行なう。そう、この時もエンジンはかかっているが、走行はあくまでモーターで行なっている。
 更に、高速走行時にはこのエンジンが直接、車輪を駆動しても走行する。エンジンで発電して、その電気でモーターを駆動して……というより、高速域ではその方が高効率だからだ。

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 しかも面白いのは、電力をできるだけ使わないで走るバッテリーセーブモード、積極的に充電を行なうバッテリーチャージモードを用意していること。これはどう使うかと言えば、前者は走り出しの都会の中でではなく、目的地の大自然の中でこそEVとして走らせたいという時などに有効だし、後者は自宅までの最後の数kmをEVとして帰りたいが、現状は充電量が足りないという時などにツカエる。要は自分の好きな時にEVとして走らせることができるということである。

 また、アウトランダーPHEVは、最上級のG Premium Packageに標準、その他にオプションで、最大1500Wの出力を取り出せるAC 100Vの外部給電機能も用意している。走行中に貯めておいた電気、外部機器に供給できるのだ。たとえばキャンプなどの場面で、あるいは災害時などに、これも大いに役立つ。

 仮に滅多に給電機能は使わないとしても、いざという時のことを考えてのクルマ選びとして、ソソるものがあるのは確かだろう。4WDの優れた走破性も含めて考えれば、これほど頼れるクルマは無い、かもしれない。

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 大容量の駆動用バッテリーと、各種充電モードの設定、更には外部給電機能によって、クルマの使い方の幅を大きく拡大してみせたのが、新型アウトランダーPHEV。しかもPHVに対するインセンティブのおかげで、価格も抑えられている。このクルマでしかならないと思わせる理由、十分にあると言っていいはずだ。仮に、デザインが今イチだったとしても……。

文:島下泰久
写真:編集部