東京都でトヨタ&日野の燃料電池バスが実証実験

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7月24日より東京都にてトヨタと日野が燃料電池バスの実証実験を行なっている。7月25日には非常時を想定した外部電源供給システムの公開給電実証が、そして7月24日、並びに7月27〜30日には実用性確認のための走行実証が行なわれる。
協力する東京都は、走行実証の目的として、大都市特有の交通事情に応じた燃費や操作性に関する意見をメーカーにフィードバックすることを挙げており、具体的には車両性能(走行性能、燃費、快適性)、整備性(燃料電池と関連システムの点検整備内容や作業方法など)、水素充填(充填時間、作業手順)の確認、調査を行なうという。

使用する「トヨタFC BUS」は、日野製の定員77人のバスに、MIRAI向けに開発されたトヨタフューエルセルシステムを搭載したもの。FCスタックは、まさにMIRAIと同様の最高出力155psのものを2基、モーターも最高出力149.5psのものを2基搭載しており、70MPaの高圧水素タンクは8本、480リットル分を積む。
都営バス営業所を起点とする実験、回送運行は、営業運行ではないので一般ユーザーが乗ることはできない。しかしながら実は都営バスは以前、トヨタの燃料電池バスを定期運行に使っていて、筆者は2004年にそれに乗ったことがある。その印象はとても鮮烈だった。
何しろ発進は、ディーゼルエンジンを積んだ通常のバスより至極スムーズ且つ力強く、加速も伸びやか。何より、バスには付き物だと思っていた振動、ボディやシート、ウインドウまでビリビリ揺れるあの感じが、まったく無いのだ。それまではバスの大きく箱型のボディが剛性不足なのかと思っていたのだが、実はあれ全部、ディーゼルエンジンの振動だったんだと、燃料電池バスに乗って気付かされたのである。実際に燃料電池バスが走り出したら、おそらく多くの乗客がその快適さに驚くに違いない。

ちなみに当時乗った「FCHV-BUS2」も、クルーガーをベースにした燃料電池自動車「FCHV-4」用の最高出力122psの燃料電池スタックと同109psのモーターを2基ずつ搭載するという、今回のFC BUSと非常によく似た基本構成を採っていた。高圧水素タンクは35MPa、160リットル×5本=800リットルだったから、高出力化、高効率化は明らかである。

実証実験ルートは2通りが予定されている。7月27日、29日には渋谷営業所を起点に明治通りを北上して代々木、新宿を経由し、環七まで出て練馬へ。新目白通りで高田馬場、信濃町まで出て外苑西通りを通って芝公園 水素ステーションで水素を充填して渋谷に戻る都心ルートを辿る。
そして7月28日、30日には深川営業所を出て豊洲、晴海を経由して清澄通りで砂町方面へ。そのまま南下して新木場を過ぎ、東京ゲートブリッジを渡った先で折り返して再び新木場から湾岸沿いを走り、レインボーブリッジを渡って芝公園 水素ステーションに寄り、再びレインボーブリッジ経由で営業所まで戻る。
前述の通り、今回は乗車することはできないが、東京都は2020年までに燃料電池バス100台以上の導入を目指しており、来年度から都営バスにも採用していく予定。ここで培ったノウハウが活かされるはずだ。

写真:トヨタ自動車