“ポルシェらしさ”、更に!パナメーラ4 Eハイブリッド試乗 Part.3

 実は肝心な燃費は、きちんと計測することは叶わなかったのだが、車載燃費計を見ている限り、従来より2割程度は良さそうという感触だった。エンジンだけでも効率は15%向上しているというし、しかも電気モーターによる走行領域も増えているとなれば納得の数字である。しかも、それは期待に応えるパフォーマンスと両立されているのだ。
 乗り心地、フットワークも改善されている。クルマの動きに重々しさが無く、ワインディングロードでもポルシェらしい走りを楽しめる。時々、いかにもアルミボディらしい直接的な突き上げがあったのが気になるが、それ以外は十分に快適と評せる。特に好印象だったのは意外やエグゼクティヴ。こちらの方が全般にバランスが良く、ドライバーズカーとしても選ぶならこちらと思わせた。

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 一方、不満だったのはブレーキだ。ストローク初期のバイト感が足りないし、回生協調の制御も今ひとつで、どうもギクシャクする。特にPCCB付きは、効かないと思った次の瞬間にいきなり食いついてつんのめるなど、良い印象が得られなかった。これは開発陣も率直に認めるところで、デリバリーまでに出来る限り改善するとのことだった。

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 しかしながら全般的に見れば、スペックはもちろん走りの質という面でも、新型パナメーラ4 Eハイブリッドが明らかにポルシェ濃度を増した1台に仕上がっていることは間違いない。EVのような斬新さは無いにしても、ポルシェらしさはそれに匹敵する歓びと言っていいはず。エンジンが始動しても、ポルシェならそれは悲しむべきことじゃない。しかも航続距離は長く、今のクルマと置き換えても何の不自由もないとなれば、ポルシェのファンとしても納得ではないだろうか。

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 いや、それでもやっぱりパナメーラに乗るような人は、ターボの凄まじいパワーには惹かれても、燃費や環境性能は……というところかもしれない。きっとポルシェも、それは解っているのだろう。何とポルシェはジュネーヴ モーターショーで、PHVの最高峰としてパナメーラ ターボS Eハイブリッドを登場させた。従来のターボSが、言わばターボのパワーアップ版だったのに対して、新型ではターボをPHV化することでシステム最高出力680ps、最大トルクという、実に130ps増という驚異的なパフォーマンスと、優れた環境性能の両方を手に入れたのである。ポルシェにとって電動パワートレインは、燃費規制をクリアするための方便などではなく、リアルなパフォーマンスを追求するための手段に既になっている。

 まとめるならパナメーラ4 Eハイブリッドは、先代オーナーには申し訳ないが、いよいよ本気のポルシェのPHVの登場と言ってもいい。しかも価格は標準ボディで1407万円と、4Sより200万円近くもリーズナブルなのである。今まで以上に多くのユーザーを惹き付けること、必至の1台だ。

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島下泰久