新型プリウスPHVなら古民家で充電も安心??

北海道の住宅でPHV車を充電中に充電器から火災が発生し住宅が全焼というニュースが出ていますが、怪我人が出なかったのが不幸中の幸いで、早急に原因が究明される事を望んでいる人も多い事でしょう。

家庭での充電について簡単にまとめておきますと、一般的な現状としては200Vの専用コンセント、もしくは100Vの専用コンセントを用いた充電が可能で、ほとんどの場合充電時の最高電流量は国内では15Aまでとなっています。

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200V15Aというと3000Wの出力なので、200VのIHヒーターを強出力で温め続けるのと同じ非常に大きな電力量、100V15Aでも少し大きめのコタツや電気カーペットを最大出力で動かし続けるのと同じ電力量となります。

多くの住宅の屋内配線は15Aの連続した出力に耐えられる構造となっていますが、例えばコンセントから延長ケーブルを引いて電気自動車の充電器に接続した場合など、この延長ケーブルが100V15Aの連続した出力には耐えられず溶けてしまったり、発火したりする恐れがあります。(実際のところ、種類によっては数時間で本当にケーブルが発熱して溶けます。)

その点を踏まえて、電気自動車の充電には専用線をブレーカーの配電盤から引いたコンセントの設置が求められますが、ここで問題になってくるのが築後半世紀ほどが経過した住宅の場合。

電力会社から供給される電源には、同じ100Vでも単相2線式と単相3線式という規格があり、電子レンジやエアコンなどが普及し始めた1980年頃より前に建築された多くの住宅に採用されているのは単相2線式。こちらの屋内配線は設計容量も少なめとなっていたり、そもそも電力会社が(安全上の理由で)100V30A以上のブレーカーを設置させてくれないため、電気自動車を使用するための専用コンセントの設置を単相2線式のままでは多くの場合断られます。単相3線式に変更すれば、構造上200Vの電源を取ることも容易なため200V15Aのコンセントを引くことが出来ますが、この引き込み線の変更工事費が莫大で、数十万円の費用が掛かってきます。(元々単相3線式が来ている住宅の場合はブレーカーからの専用線の配線とコンセント工事だけのため安い場合は数万円で終わります。)

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例えば初期型のアイミーブでは充電コントローラーが装備されない充電ケーブルが採用されていましたが、これらのケーブルをコンセントに差し込むと15Aの電流が流れてしまい、上記の理由で専用コンセント以外で使用すると非常に危険な状態になってしまいます。(マイナーチェンジで充電コントローラー付きのケーブルとなり出力調整が可能となりました。)また、初代のプリウスPHVにも100V充電ケーブルが用意されていましたが12A仕様となっていました。

初期の電気自動車で、発火事故にはならないものの危機一髪というトラブルが発生したのかどうかは定かではありませんが、直近で販売されている電気自動車では充電スピードを任意に設定出来るものが殆どとなっており、6A、10A、15Aから選べたりという状態になっています。

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ここで注目なのが、この冬に発売される新型プリウスPHV。200Vでの充電では16Aに対応した3.2kWでの充電が可能となっていますが、100Vでの充電は6Aに絞られています。200V16Aに対応した充電コントローラーを持っているので100V15Aに対応させる事は簡単な筈ですが、あえて6Aに絞ってあります。公式ホームページには、「専用回線工事が不要で、どんなご家庭でも手軽に充電出来る100V・6A充電を新採用しました」と記載されています。

年に1度の帰省で田舎の家に帰った所、実家の父が親切でプリウスPHVを延長ドラムケーブルにつないで充電したところ…。という事が考えられないでもありません。電気自動車のユーザーがニッチな存在であった今までは多くの人が電気に対する予備知識をつけた上で使用していましたが、モデルサイクルで100万台の出荷を目指すと言われる新型プリウスPHVでは、あらゆる人に心配する事なく使用できる事を目指して100Vでの充電電流を6Aに絞ったのかもしれません。

文:編集部