今までとはまったくの別物! 新型プリウスPHV先行試乗 Part.1

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今冬の発売を予定しているトヨタ プリウスPHVに、クローズドコースで先行試乗することができた。実は開発陣が4代目プリウスの本命と位置づけているPHV=プラグインハイブリッドのプリウスだが、開発の裏テーマには「プラグインしなくてもいいPHV」があったという。

どういうことかと言えば、まずひとつは充電しなくても十分にメリットを発揮できるということだ。プリウスPHVは、ハイブリッド燃費でも37.0km/lを目指している。欧州勢のPHVの多くが、ハイブリッドモードでは燃費の旨味が無くなってしまうのとは違うんだよ、というわけである。

オプション設定のソーラー充電機能も注目だ。これまでもルーフにソーラーパネルを搭載したクルマはあったが、それらはあくまで補機用サブバッテリーの充電などのために使われるだけだった。それに対してプリウスPHVでは、駐車中にはソーラーパネルで発電した電気を駆動用バッテリーに蓄える。

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これにより、条件が良ければ1日に6.1kmを走行できるぶんだけの電気を貯めることが可能。もちろん、これだけではほとんどの人にとって日々の走行を担えるわけではないだろうが、しかし夢への一歩であることは間違いない。何しろ、今までのクルマはどれも外部からエネルギーを取り込まなければ走行できなかったのだ。短い距離とは言え、エネルギーを作り出し走行できるのは、まさに革命である。

もちろん外部電源から充電することで、プリウスPHVが最大の力を発揮することは間違いない。プラグインするにしても、新型プリウスPHVは万全の体制でそれに応えてくれる。

何しろ大きいのは、充電場所を選ばないこと。工事が必要な従来の200V普通充電に加えて、CHAdeMO急速充電、そして家庭用6A 100V充電にまで対応する。何であれ、どこであれ、したいと思えば充電できるのである。

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プリウスPHVの、満充電からの電気モーターのみによる走行の最大航続距離は60km以上を目標としている。これは、先代の26.4kmを大きく上回るものだ。そのため新型では、まず駆動用リチウムイオンバッテリーの総電力量を従来の4.4kWhから8.8kWhへと倍増させた。

プラグインハイブリッド車の狙いとして、燃費向上、トータルでの環境性能向上がもっとも大きいことは当然だが、一方でユーザーのニーズとして『電気モーターだけでもっと走りたい』というのが多かったという。そう、電気モーター走行に慣れると、エンジンがかかっただけでもったいない気持ちになってしまうものなのだ。

バッテリーチャージモードは、まさにそのために設定されたもの。走行中にエンジンにより発電して、電気を駆動用バッテリーへと蓄える。効率は落ちるが、望んだ時に望んだだけの電気モーター走行ができるのは、まさにユーザーのニーズに応えているのである。

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世界初のガスインジェクション機能付ヒートポンプ式エアコンの採用も、それに貢献している。通常のエアコンを備えていた従来のプリウスPHVでは、冬場に暖房を使っていると、すぐにエンジンが始動してしまった。しかしながら、ヒートポンプは消費電力が小さいため、エンジン始動を最小限に抑えることができるのだ。

また、従来のプリウスに無い機能として「デュアルモータードライブ」が挙げられる。電気モーター走行での最大加速が必要な時、駆動用電気モーターだけでなくこれまでは発電機として使っていた電気モーターも駆動用として同時に用いることで、加速力を向上させているのだ。ちなみに、電気モーター走行での最高速は135km/hまで高められている。あわせて、電気モーター走行がとても「ツカエる」ものになった。

と、解説したいことばかりの新型プリウスPHV。これではいつまでも走り出せないので、次回はすぐに走り出すことにしたい。

文:島下泰久