メルセデスが燃料電池プラグイン車を2017年に発売!

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ドイツ ダイムラーAGは、お膝元シュトゥットガルトにて開催した先進技術の披露の場である「TecDay “Road to the Future”」にて、メルセデス・ベンツの中型SUV「GLC」をベースにした燃料電池プラグイン乗用車を発表した。「F-CELL Plug-IN」と名づけられたこのモデルは、2017年に発売される。

長きに渡って燃料電池自動車の開発を進めてきた巨人が、ついに動き出す。このF-CELL Plug-IN、最大の特徴はその名の通り、燃料電池パワートレインに、外部充電が可能な大容量バッテリーを組み合わせていることだ。日本に限らず、水素充填インフラがまた整っていない現状では、燃料電池自動車の行動範囲は限られてしまう。そこで、ある程度の距離を外部充電により蓄えた電気によってモーターを駆動することで走行できるようにしたのが、このシステム。当然、コストはかさむが、利便性は一気に拡大する。

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搭載される新型燃料電池パワートレインは、従来のものより30%小型化され、GLCのエンジンコンパートメント内に余裕で収まっている。一方で、出力は従来比40%アップを達成したという。スタックではなく電気モーターの数字だが、2009年に発表されたBクラス F-CELLは最高出力100kWだったから、単純に40%向上できたとしたら、トヨタMIRAIの113kW、ホンダ クラリティ フューエルセルの130kWを上回るパワーが期待できるかもしれない。尚、駆動するのは後輪のみ。4WDではない。

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またシステムの改良によりスタック内のプラチナ使用量を90%削減することに成功。大幅なコストダウンに繋げている。尚、このスタックはフォードとの合弁であるカナダ ヴァンクーバーのAFCC(Automotive Fuel Cell Cooperation)にて開発され、MBFC(Mercedes-Benz Fuel Cell)で生産されるものだ。

700barの高圧水素タンクはひとつがセンタートンネル、ひとつが車体後部に搭載され、容量は計4kg。充填は約3分で完了する。車体後部に搭載される駆動用リチウムイオンバッテリーの容量は9kWh。これだけで最長50kmの走行を可能にする。そしてシステム全体での航続距離は500kmを達成した。

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もともと容積に余裕のあるSUVとは言え、既存モデルをベースにしながら室内空間を犠牲にすることなく燃料電池自動車を作り上げたのはお見事。そしてプラグインとすることで、インフラに対する懸念を相当なレベルで払拭したことも注目に値する。

2017年に発売されるこのGLC F-CELL Plug-IN。まずはドイツ国内、そしてカリフォルニアが主市場とされるようだが、もちろんここ日本でも走らせてほしいところだ。

島下泰久