市販準備はOK!アウディの燃料電池自動車「h-tron quattro concept」

Prof. Rupert Stadler, Chairman of the Board of Management of AUDI AG, next to the Audi h-tron quattro concept, at the 2016 North American Auto Show in Detroit.

2016年のデトロイト・モーターショーでアウディはFCV(燃料電池自動車)の「h-tron quattro concept」を発表した。昨年のフランクフルトでお披露目されたEV「e-tron quattro concept」と基本を共有する車体には、アウディとVWが開発した第5世代の燃料電池を採用。こちらはエネルギー効率が従来より60%も向上し、エネルギー効率では内燃エンジンを凌駕したと謳われている。水素1kg当たりの走行距離は100kmで、最大航続距離は600km。効率的にはMIRAIと同じくらいか。透視図にあるように700barの水素燃料タンクは3つが搭載されている。燃料電池スタックの最高出力も110kWと、113kWのMIRAIとほぼ同等だ。

Drivetrain

但し、h-tron quattro conceptは車室の床下に重量60kg以下とだけ記されたリチウムイオンバッテリーが搭載されており、必要な時にはこれを駆動用に用いて100kWのパワーを発揮させることも可能。すべてを足した時には瞬間的に550Nmのトルクを発生し、7秒以下のタイムで100km/hまで到達できるという。尚、MIRAIの0-100km/h加速は実測で10.06秒という記録が残っている。これはパワー&トルクより、あるいは4輪駆動によるところも大きそう。h-tron quattro conceptはフロントに90kW、リアに140kWの電気モーターを積む電気式AWDなのである。

ルーフには大面積の太陽光パネルを搭載しているのも見逃せない。フル稼働させれば、これだけで年間1000km走行分の電力を賄えるという。

詳細な数字はコンセプトカーなので置いておくとしても、FCVに容量の大きなバッテリーを搭載するのは、水素インフラの(現時点での)脆弱さを考えても、一考の余地あるソリューションではないだろうか。コストはかさむが、利便性は大幅に増し、現実世界に溶け込みやすくなる。

Static photo,  Colour: Citrine yellow

アウディはかねてよりFCVについて「インフラさせ整えば、いつでも市販できる準備はできている」と述べている。日本、そしてカリフォルニアはそろそろ、その段階に入ったと言っていいはず。ドイツ本国より先にこちらから……というのは、どうだろう?

島下泰久